格付け会社の間で意見が相違するのは、証券化のときのほうが罵りあいっぽくって面白いのですが、おそらく意識せずになされたものをシンガポールのREITの件で見つけました。
ムーディーズは、シンガポールのREITで無担保債務が割合として増えていることから、担保付での債務の割合がそれなりにあったREITについても、無担保債務の劣後性が減ったということで、有担保・無担保の差をなくすと同時に「無担保での負債が増えることは財務の柔軟性が増し、資金調達源の多様化にもつながるため全般的には信用度にプラス」という評価をしています。低金利がしばらく続くことも好材料だと。
一方フィッチのほうは、低金利で負債を増やしやすいことは財務内容の悪化につながるため、信用度にマイナスだと言っています。どうも、REITの特徴である配当目当ての投資家を喜ばせたい一方、不動産の利回りが下がっていて不動産を単に保有しているだけでは配当利回りが高くならないので、低金利下で借り入れを利用、つまり、レバレッジをかけることで配当を確保しようとする動きがあり、それはマイナスだと言うのです。
このあたり、ジャッジメント・コールの側面もあるためどちらがどちらという強い意見は私にはなく、単に、「面白いなぁー」と思っております。
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