2013年4月6日土曜日

マイナス実質金利

結局のところ、国債利回りを抑えつつ予想インフレ率を上げるということは、実質金利を強烈にネガティブにしようとしているわけです、日銀さんは。これまではデフレだったのでゼロ金利でも実質金利はプラスだったからみんながお金を使わなかったわけですが、これで実質金利がマイナスになっていけば、お金貯めとくのがあほらしくなって、消費に回ることが期待できますよね。なかなか経済学的な素養を持っていない人(あるいは持っているのに素人をバカにして説明しようとしない人)達が無視しがちだから困るのですが、日銀の政策は資産インフレを通じて実体インフレ期待を作り出し、かつ、インフレだけではなくて実質金利をいじることで強烈に消費に働きかけようとしているとまとめることができようかと思います。

日銀ができないことというのは、どれだけリスクに直接働きかけても、それはマクロの話であって、ミクロのレベルではないということですよね。言い換えると、中小企業がカネを借りられる環境にならないといけないんじゃないのという質問に対して、どのように答えるかなんだと思います。おそらくは、インフレ(=デフレ解消)→景気回復→全般的な信用度回復→中小企業の業績好転、ということを考えていて、直接、ミクロの信用度に働きかける努力はしないというのが現状の答なのでしょうし、決して、この問題を無視していいと思っているわけではなくて当面は手当てをしないというだけなのだとおもっていますが。

もっとも、中小企業CLOを日銀がガンガン買いますよ!とか言われると、それはそれでちょっとという気もしますから、このあたりが丁度いいのかもしれませんね。ミクロに働きかけると、ロクなことがないというのは歴史が証明しているような気もしますし。

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