2013年4月7日日曜日

リスク・リバーサルの乱高下

今、市場関係者で「乱高下」という言葉を使うと、どうしたって金曜日の国債の動きのことを思ってしまうわけで、あれは記憶のある中では史上初めてというか、凄まじかったです。それはともかく、最近、ドル円の為替のオプションでリスク・リバーサルが激しく動いていることは、あまり注目されていないのですが、原因がよく分からず、結構不思議に思っています。リスク・リバーサルというのは、単純にいうとドル円のプットとコールのどちらの買い手が多いかを示す指標でして、日本は構造的に輸出国ですからドル安が怖く、そのため、ドルを売る権利であるドル・プット優勢の時期が長く続いていたのですが、安倍さんが自民党総裁になったころからドル・コール優勢に変化しました。国としては引き続き輸出国なのでしょうが、相場の参加者としては円安リスクを意識し始めたというわけです。

ところが、先月の半ば頃少し円高になったあたりからリスク・リバーサルが逆転して、プット優勢に変わりました。後知恵なのですが、若干とはいえ円高になったことで、市場では円安傾向の修正と判断され、円高ヘッジをしたい人が増えたということなのでしょう。しかし、先週あたりからこれがまた逆転していて、再度コール優勢になっているのです。木・金の国債の動きと関係あるわけでは必ずしもなく、それ以前からなので日銀さんとも直接関係ないような気もしていまして、正直、頭を抱えています。

ことほどさようにオプションというのはとっても厄介なわけで、オプションを組み合わせ商品とか、ちゃんと説明しようとすると相当大変なのです。説明すべきなのかどうかという点については、金利スワップについての最高裁判決を見る限りよくわからなくなってきたのも事実ですけれど。

0 件のコメント:

コメントを投稿