金融リスクの管理は、スパイと同じで「ヒューマン・ファクター」が大事だよねという話がNYT紙の「ディール・ブック」欄に出てました。ロンドン鯨の話もそうですが、どれだけモデルが進化してもモデルはモデルでしかないわけで、最終的には人間が判断するところというのは多いのですが、人間というのは得てして自分の得意分野(「理解できる分野」と言ってもいいでしょう)にはとことんこだわるものの、理解できない分野については無視しがちです。これは人間の特徴としてしょうがないのですが、一方で、「自分には理解できないリスクもあるんだ」ということを知った上で、そのリスクを管理しようとするかしないかで、リスク管理能力は随分と変わってくるんだということですよね。
これは市場リスクだけではなくて、「審査」と呼ばれる(純粋な意味での)信用リスクでも同じです。妙なこだわりを持つ奴ほど偏狭で、結果として莫大なリスクを積み上げていることに気付かないことが多いのです。特定の分野で大量の不良債権を出すような金融機関っていうのは、そういう気質が蔓延しているっていうことなんですよね。
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