2014年12月23日火曜日
格付け会社はしょせんビジネス
12月22日付のニュースですが、DBRSという、それなりに知られているカナダの格付け会社を、カーライルとウォーバーグ・ピンカスが買収するんですって。LBOで用いられるバンク・ローンやジャンク債を格付けする会社を、LBOで買収する側が買収するってどうなのよ?という気もいたしますが、結局、カネ儲けのためには、独立性を保っておくほうがよほど賢いわけで、そのあたりはプライベート・エクイティのディシプリンのほうが信頼できるような感じはしますね。
アメリカのメディア会社ハーストが、フィッチへの出資比率を80%に高めたため、フィッチは英仏系ではなく完全に米系ということになりますが、なんか、面白いですね。
2014年12月22日月曜日
アクティブ運用
ただ、パッシブの魅力は、アクティブをやる人がいるから際立つというのも事実であって、みながパッシブになったらそれはそれで大変なんですよね。どこかで、誰かが「賭ける」ことがないと、市場が成立しないわけで。
個人投資家が頑張ればいいのですが、アメリカだとやはり、個人は投信に行けという感じなのでしょうか。それはそれでとても健全ですが、となると、だれが「勝ったり、負けたり」という役割をするようになるのかしら…、ということですよね。
2014年12月6日土曜日
2014年11月29日土曜日
スタンダード・チャータード格下げ
しかし、原油価格も下がっているし、大丈夫ですかね、世の中(金融の話ですが)。
2014年11月28日金曜日
債券を取引するには相手が必要
業者側としては、規制を戻せばいいということになるでしょうが、当局のほうは逆だというのがFT紙に出てまして、いろいろなことが考えられるということのようですね。
国債を含め、たとえば、奇数年の12月20日と偶数年の6月20日を償還日とするもの以外は発行してはだめだということにして、すべてを取引所取引にすれば改善するのでは、と思ったりもしますがどうでしょうね。
金融商品と忠実義務
日本でも、業者は一定の忠実義務を負うのではないかという議論もないわけではないものの、一般論としてはそれは否定されていると思います。というのも、少なくとも法律という議論では、売主と買主という利益相反があるのは明らか、あるいは、取引さえあれば手数料がもらえるのだから顧客の利益を最優先するはずがない(少なくとも最良執行義務以外の分野では)ということなのだと思います。
ただ、「助言」を飯のタネにしている人はまた別ですよね!というのが話なわけで、昨今の保険販売屋さん(って、正確な言い方ではないのは承知で敢えていいますが)の議論がまさにそこにありますよね。
もっとも、街の保険屋さんが契約者に忠実義務を負っているわけではないことは、少し考えれば携帯電話屋さんと同じだという感じもいたします。しかし、それが理解できるのもリテラシーがあるからだけなのかも、と考えると、ちょっと寒いです。
2014年11月26日水曜日
サマータイムは和製英語?
和製英語に気を付けようという話のときに、よく「サマータイムは通じない」って習いませんでした? 確かに、アメリカではデイライト・セイビング・タイム(しまった、今調べたらsaving単数なんですね…)ですよね。でも、イギリスではサマータイムと言いますよね。
という話を、さっき、『TVの「朝刊チェック」にNYタイムス東京支局長「ありえない」』という記事を見つけて思い出しました。イギリスだと、BBCの朝のニュースでふつうに新聞記事の紹介しているのになぁーって。
レバレッジド・ローンは危ないのか
一方、ではデフォルトの確率が高いのかというと必ずしもそうではないらしく、「利息は払える」というストラクチャーが多いとか。それも、PIKトグルとかそういった類のものがあるからと想像できますが、それはさておき「会社はコベナンツ違反でデフォルトするのではなく、カネが払えないからデフォルトするのだ」ということであれば、なるほど、確かに、デフォルトはしにくいのかもしれません。
もっとも、早期にデフォルトさせたほうが社会的にはプラスなのかも、というのがたとえば破産法とかの考えかたなわけですから、ちょっと、ちょっとなぁーという感じもいたしますが。
2014年11月25日火曜日
プライベート・エクイティと投資家
2014年11月22日土曜日
2014年11月15日土曜日
市場の過熱~クレジット投資編
これはクレジット投資でも同じです。クレジット投資の場合、投資の対象は金利そのものではなく、無リスク金利(たとえば国債利回り)との差です。10年で利回り1.2%という社債があれば、国債の利回りが0.5%だとすると、投資の対象は両者の差である0.7%というわけです。この差の部分についても利益と損失の間に偏りがあることはあきらかで、社債の発行会社が倒産しない場合にのみ、最大の利益である7%が得られますが、倒産したら損失は大きいわけです。
ところで、他の市場と同じようにクレジット市場も過熱します。不動産関連と異なり、金融危機時も企業の信用度は相対的に安定していたこともあり、また、米国では事業用不動産に限れば金融危機前の水準に回復しているという背景もあり、企業に対する融資はまさに過熱状態ということのようです。
私は、専門がクレジット分野なので、こういうときこそ銘柄選択の見せ所だとも考えるのですが、いかんせん、市場が過熱しているときには、銘柄選択=投資しない銘柄がある=おかしい、という議論になりやすく、真面目な人ほど苦労しているという状況が容易に想像できます。
それにしても、こんな状況でも、喜んでジャンク債投信を買ったり、バンクローン投信を買ったりする人がいるわけで、それが個人投資家なのだとすると販売している側が売っているからなのですが、この辺の状況、理解しないで販売することってどうなんでしょうかね。
プライベート・エクイティと長期安定保有
もともと、年金基金のような、長期的な資金を有している人の投資先としてPEファンドは向いているのでしょうけれど、その投資先が短期(とはいっても5年くらいでしょうけれど)の投資回収ばかり気にしているというのは、エコシステムとして不自然というのは確かなんでしょう。ソブリン・ウェルス・ファンドとなると、あるカネを増やしたいという目的しかないわけでしょうから、投資ホライズンは一層長く、このような投資形態にも意味があるということですね。
2014年11月13日木曜日
日本のプライベート・エクイティ
それにしても、TPGの日本の責任者の方がお辞めになって、自らファンドを立ち上げようとなさっている話は相当な話題なんですね。ま、先進国の中ではPE投資活動が相当低調なのは間違いないわけで、もう少しなんとかなってほしいですね。私の専門はクレジットなので、クレジット投資ももっと活発になってほしいのですが、それはちょっと無理そうです。
2014年11月4日火曜日
黒田総裁の会見を見て
必要があって黒田総裁の会見の冒頭部分を見ていたのですが、わかる人にはわかるものの、わからない人にはチンプンカンプンかも、と少し思いました。おっしゃっていることは、要するに:
① デフレは諸悪の根源である
② デフレの原因はデフレ期待である
③ デフレ期待の反対はインフレ期待である
④ 日本にインフレ期待を植え付けなくてはならない
⑤ 日本ではインフレ期待が持続するためにはインフレにならなくてはならない
⑥ 消費税増税後の若干の景気停滞と原油価格安で、(実際の)インフレ率が(総裁の望むほど)高くない
⑦ モノの価格が上がるような手を打たなくてはならない
ということですかね。で、④、⑤の説明として、アメリカではインフレ期待として2%のアンカーがある(世の中の人が、中・長期的には当然のように物価上昇を期待していて、それ(予想値)が2%を下回らない)一方で、日本にはそのようなものがないというか、長期・慢性的なデフレによって深層心理としてデフレ期待が形成されてしまっているから、実際のインフレを見ない限りはインフレ期待を形成できないという考えのようです。
ま、そうなんでしょうね。というか、まず①を声高に言ってくれる日銀総裁が今までいなかったこと自体が問題なんでしょうけれど。
2014年10月28日火曜日
金利オンリー住宅ローン
ということは、資産価格が上昇する(あるいは下がらない)ことを前提におカネを借り、元本が減らないというのは相当避けるべきということになります。もちろん程度問題ではあるのですが、そのような借り方はたいていの場合トラブルの元であって、それはLBOであっても、不動産担保融資であっても同じです。
という話を、FT紙のこの記事を見ていて思いました。話としては住宅ローンで金利オンリーのものがそれなりに広まっている話なのですが、見ていてすごいなと思うのは、一部の債務者は、自分の借りている住宅ローンが金利オンリーであることに気づいていなかったというところでしょうか。
集中か多角化か
NYT紙のディールブック・コラムによると、マジソン・スクエア・ガーデン社がスポーツ・チーム(バスケット・ボールのニックスとアイス・ホッケーのレンジャーズ)部門を分社化することを検討中とか。日本のいろいろな会社も見習ってほしいと思ったりもしますが、もともと日本の株主は企業価値の向上とかほとんど興味がないので、こんなことはなかなかおこるまいという気もいたします。
2014年10月25日土曜日
プライベート・エクイティ・ファンドと流動性
で、スイスのパートナーズ・グループっちゅうところが、それを打ち破ろうと。具体的には、四半期ごとに換金できるPEファンドと、上場PEファンドを中心に投資するそうです。
ただ、結局、流動性と長期的なリターンは基本的には反比例するわけで、そんなに流動性がほしければPEに投資するなというか、流動性を求めたら上場株式と同じリターンに収束するのでは?という気もいたします。ま、それだけPEっていう世界が謎に包まれていて、みんなが投資したがっているということなのかもしれませんけれど。
ABSなのに、実質はオリジネーターの担保付社債
付録4のほうはさして面白くなかったのすが、付録5のほうは、結局、過払いの可能性がある債権を対象に証券化したら、そのABSの格付けはオリジネーターの格付けに拘束されるという趣旨でした。カバード・ボンドっていうことですよね…。ま、当然といえば当然の反応なのでしょうけれど。
2014年10月24日金曜日
市場変動そのものが資産クラス?
同じアルファビル欄に「今や、世の中みんながボラティリティの売り手」という話も出ていて、これは非常に好感度が高いというか、要するに、ボラティリティが上がると困る人というのが世の中にたくさんいて、それを意識するか否かはともかくとして結果としてボラティリティの売り手になっている人がたくさんいるということです。たとえば、日本で盛んに売られている仕組債はオプションの売りが組み込まれているという意味で直接ボラティリティの売りですし、カバード・コール投信も「カバード・コール戦略」とは言えオプションの売りをしているわけですから、やはりボラティリティの売り手に回っているわけです。
さらに言えば、ジャンク債投信やバンク・ローン投信も同じで、クレジットという資産クラスはもともとボラティリティの売りという性質を持っている(儲けは少し、損は大きいというのはオプションの売りの性格)んですよね。オプションの売りは危険だというのが最高裁H17判決の意味なんだとすると、みんなダメじゃん、ということにもなりかねませんが。
2014年10月23日木曜日
ファンド・マネージャーの腕
それによると、本当に腕のいいファンド・マネージャーがいたら、皆がその運用手法を真似するはずであり、そんなファンド・マネージャーがいないということ自体、運用の腕などないという証拠だというのです。なるほどですね。
ただ、毎月分配型とか、バンクローン投信とか、カバードコール投信とか、運用の腕とは関係ないものの、つねにコピーキャットが出てくる日本の業界はどう考えるのでしょうか…。FT紙が日本の投信業界に興味がないことは明らかなので、追加の記事を書いてくれという気はいたしませんが。
2014年10月19日日曜日
有権者身分証明書
11月の中間選挙でテキサス州が身分証明書の提示を義務付けることにしたのに対して連邦政府側が抗議していたらしいのですが、結局、連邦最高裁が当面の続行を認めたそうです。3人が反対ということは、通常の5人対4人とは異なるんですね。
2014年10月18日土曜日
2014年10月1日水曜日
ABS 購入と中央銀行
-- Asset-backed securities: Back from disgrace - http://www.ft.com/cms/s/0/7d9d25f0-4729-11e4-ba74-00144feab7de.html
日本で同じような話があったときも思ったのですが、そんなまどろっこしいことしないで、銀行つくっちゃえばいいんですよね。で、銀行からすべての資産を10%ずつ買うとか。変な仕組みを作ると必ずレギュラトリー・アービトラージが出てきますし、また、フェアな資産買い取りとか債務者審査はありえませんから。
本質的には、資本注入や保証でも同じことですが…。あとは、企業と名が付けば、バランスシートの規模に応じて低利で政府が融資するぐらいですかね。
自分で自分の…
-- Private equity managers face growing competition for deals - http://www.ft.com/cms/s/0/8d29f282-47b5-11e4-be7b-00144feab7de.html
プライベート・エクイティの大手投資家が、ファンドを通さず、直接投資しているという話。フィーが高いという理屈はわからないわけではないものの、本文にもあるとおり、自分で自分の投資対象を狭めているという感もありですね。
2014年9月27日土曜日
フランス料理と金融規制
フランスで、工場で作られた飯を温めて出しているだけという例が増えているというのはよく報道されている話だと思うのですが、それに対応する形で、レストランはメニューに「この場所(レストラン)で作りました」マークをつけなくてはいけなくなったそうです。蓋付ソースパンがそのマークらしいのですが、それはさておき、どんな規制も同じで、そもそも自家製とはなんじゃという話のほかに、本当にそれでフランス料理の質が守れるのかという話も出てます。確かに、ヘタなパン屋さんの食パンよりもスーパーで売っている食パンのほうがおいしいかもしれないし、ベーグルも専門店で買うよりもも冷凍ベーグルのほうがおいしいかもしれないですよね。でも、それを区別しないじゃんという話でもあるわけです。
で、レストランというか食い物については、結局、高くてまずいものを食わない消費者ばかりになればいいという話になるわけですが、それに対して、へんな金融商品は買わないやつがいればそれでいいという話ともつながります。「そりゃそうなんだけど、消費者ってそんな賢くないよね、だから、政府が守ってあげることも必要だよね」という立場が出てきます。このコラムの結論は「なかなか難しいよね」でしかなく、金融商品についても同じなのですが、ま考えさせられますよね。
ローンで買った車にGPSが装着されていたら
日本では、一般論としては自動車ローンの証券化では担保価値はほとんど考慮されていないので、証券化のためにこのような手法が必要なのかは懐疑的です。ただ、結局のところ、自動車ローンと自動車リースとは同じ経済効果ですし、リースとレンタ・カーも同じだという考えると、レンタ・カー会社が貸した自動車をこのように管理していても不思議ではないわけで、であれば納得ですよね。住宅ローンを安心して貸せるのは、担保である家が動かせない(不動産)だからというのもあるわけですし…。
ICチップが小型化すれば、割賦販売の対象とかみんなこうなっちゃうのかもしれませんよね。もっとも、現金一括払いで買ったときに装置を外す手間とかを考えると、そんな世の中にはすぐにはならないのかもしれませんが。それより、飲酒した人は運転できなくすることを考えるほうがいいのかも…。
資産運用とコスト
カルパースがヘッジ・ファンドの運用をやめるというのが結構でっかいニュースになりましたが、1週間経ち、「やっぱり手数料よね」という話があちこちで出てきているようです(たとえばこれ)。カルパースは納得づくで払っていて、その効果がないと思って手数料払うのをやめる(つまり、運用委託をやめる)わけですが、私たちはみな、こうあるべき、あるいは、こうありたいという気がいたします。
2014年9月26日金曜日
ヘッジ・ファンドがいつも成功するわけではない
ま、ヘッジ・ファンドが常に成功するわけではないし、本当にリスク・リターンが見合っているのかというのは、カルパーズのこないだの発表からも懐疑派が増えているということなのでしょうけれど。
2014年9月20日土曜日
デフォルトのリスク
なので、社債投資で儲けるためには、予言者であるか、ラッキーであるかいずれかである必要があります。ところが、後者の場合は、それは「投資」ではなく「投機」のカテゴリーに入ることは言うまでもありません。それをわかっていて社債を買うのは自由ですが、わかっていないのであれば(覚悟ができていないのであれば)どうだかなぁーと。
WSJ紙に、ヨーロッパのジャンク債市場でリスクが再認識されているという話が出てまして、フォーンズ・フォー・ユーという会社の社債が100円から20円程度まで数日で急落したそうです。100円の社債が180円になることはあり得ませんから、以下に非対称的かわかりますよね。それでも社債を買うんですか…。私は親には絶対に勧めませんけれど…。
2014年9月15日月曜日
猫債
ただ、同コラムで面白かったのはCAT債の例で、ドイツの宝くじで「あたりが出過ぎる」リスクに対する保険が債券になったんだそうです。個人や素人投資家が買うのでない限り、許容範囲なのかもしれませんよね。仕組債も同じようなものだという説明をすれば、仕組債の不思議さを納得してもらえる足しになるのかもしれませんけれど。
2014年9月12日金曜日
社債価格の暴落
WSJ紙のコラムに、担保付き社債のほうがディストレスト(価格暴落)になりやすいというのが出てますね。
http://blogs.barrons.com/incomeinvesting/2014/09/11/secured-bonds-are-more-likely-to-end-up-distressed-fridson/
担保付きでないと社債を発行できないような会社は、結果として経営破綻しやすいという傾向があるのではと。ま、そうなんでしょうね。直接は関係しませんが、バンクローンに投資するときにはこういうことも知っておいたほうがいいですよね。
2014年9月7日日曜日
スワップのルールを逃げるには
2014年9月5日金曜日
証券会社の事業年度
日本でも、銀行、証券会社の事業年度は4月1日から3月31日までと法律で決められていたのですが、証券会社については、先般の金融商品取引法改正で、今後、月初を開始日として、翌年応当日の前日(=月末)を終わる日にすれば、3月31日じゃなくてもよくなるんですね。なんか、不思議な感じです。
2014年8月20日水曜日
低利回りとリスク
本来であれば、国債利回り低下=金融資産の(名目)期待リターンの全体的な低下ですから、見た目の利回りが高い債券(の形を採った複雑な金融商品)の確率的な元本毀損は高まっているだけなのですが、素人はそれには気づかないか、あるいは、確率の高さをなんらかの(誤った)理由で正当化しているわけです。
ここにきて、世界的に国債利回りが低下しており、さらに、ボラティリティが下がっていますから、以前と同じような名目利回りを得ようとすると、なおさら妙なリスクを取る必要があります。確かに、ボラティリティは、市場が判断するリスクの価格ですから、現在の低ボラティリティを誤っていると断言することはできないのですが、それにしてもちょっとねぇーという印象を持っている人は多いのではないかとも思います。
FT紙に、クレジット・デリバティブのリスクが再度広まっていて、リーマン・ショック前よりももしかするとひどい状況かもしれないというのが出ていましたが、そういった文脈でとらえなくてはいけませんね。某国の経済新聞とちがって、業界の提灯持ちになっていないのはさすがです。
2014年8月18日月曜日
リパッケージそのものは悪くないのでは?
SPCを用いて、無邪気な顧客に、安全でない資産を安全であるかのようにしたというのであれば確かに問題なのですが、それは本質的にはSPCの問題ではないようにも思います。こんなことに絡んだとされる投資銀行は、気の毒な感じも少ししますよね。
2014年8月16日土曜日
基本的な金融知識と企業経営
日本では、金利スワップについて最高裁が「企業の経営者であれば理解は容易である」などと説示していますが、ということは、日本では金融教育はそうとう進んでいるということなんですかね、欧米と比較すると…
2014年8月15日金曜日
ジャンク債のスプレッド拡大
日本で個人向け(だけではないかもしれませんが)に売られているバンクローン投信では、バンク・ローンはジャンク債よりも安全だとか言われているのかもしれませんが、実際には債務者は同じわけで、ちょっと気になりますね。
2014年8月13日水曜日
ジャンク債とヨーロッパ
「自分の発行する社債が『屑』といわれるのは嫌だ」というあたり、日本の状況と似てますよね。だから銀行の力が強いまんまなわけですが。ただ、日本の場合、投資家も含めた予定調和が図られているため、格付け会社がトリプルBという実質ジャンク分類を作っているという説もありますね。
2014年8月12日火曜日
証券会社のリサーチ
という理屈が欧米では広まりつつあるようですが、日本では、情報はタダだと思う人が多いわけで、どうなりますかね。
2014年8月11日月曜日
最高裁判所のホームページから
ゴールドマンと三井住友海上
コラムの趣旨は、絶対金利も低い、クレジット・スプレッドも縮小しているという理由で、投資家が妙なリスクを取り始めているといういつものやつですが、このGSの案件は面白いかもしれませんね。みたところ、GSのプロップ取引に超過担保を備え、それに三井住友海上が保証、この担保付保証を信じて投資家がどれだけ資金を出すのかという話なんでしょう。すっごい金融危機がこなければよし、そうでなくても三井住友海上もGSも潰れなければまたよしということですよね。トリプルAが付されるかどうかというのが本質的な議論ではないような気はしますが…。このあたり、ストラクチャード・ファイナンス屋としての血が騒ぎます。
2014年8月7日木曜日
デリバティブと銀行の自己解体計画
2014年8月6日水曜日
リスクの高い債券を個人投資家に販売するな!
日本では、仕組債はともかく、信用リスクについてはマイカルの件以外、あまり訴訟になっているケースはないようですよね。社債なんか安心な投資なんだから、適合性も問題ないと考えることも多いようです。
私は、個人は社債など(格付けが高かろうが低かろうが)買うべきではないという考えであり(極端すぎる意見だと、消費者系の弁護士の人からあきれられたことがあります)、程度の問題はともかく、まともな国の金融当局が同調してくれたのはうれしいことです。
債券投資はオプションの売りである
その意味では、格付けが低い(信用度が低い)というのは、オプションでいえばイントリンジック・バリューが大きいと意味になります。また、ボラティリティ(世の中のごたごた度でしょう)が高まればオプションの価値は高くなります。つまり、このような場合、オプションの売りの対価を表す社債の利回りは高くなります。
ということを、ポルトガルの銀行の話で思い出しました。日本でも少しずつ広がり始める新型劣後債とか、もっと言えば、個人向け社債も、程度が異なるだけで、リスクの質は同じなんですよね。
2014年7月19日土曜日
狭義の適合性原則と、広義の適合性原則
広義の適合性原則は、簡単に言えば「説明すりゃいいんじゃん」というコンセプトだと理解されるようですが、だとすると、説明義務との違いがほとんどないことになります。もちろん、一般論としての(つまり、金融商品販売法や消費者契約法で規定されているものとは異なる)民事上の説明義務がどこかに規定されているわけではなく、業法としての金融商品取引法に記載されている義務から派生するのか、あるいは、信義則上の義務と解釈するのでしょうけれど。
なので、いくら最高裁が「適合性の原則違反は不法行為になる」と言っていたとしても、実は、前者の意味での適合性の原則違反はほとんど見られず、後者の意味であれば結局説明義務違反であって、もしかすると「適合性原則違反だ!」とか主張しないほうが実はプラスなのかも、と思ったりもいたします。
仕組債は「ハイ・リスク、ハイ・リターン」ではない
仕組債のセールスをする側では、上記のような商品性を捉えて「ハイ・リスク、ハイ・リターン」と表現することがあります。しかし、それは金融理論的には大きな間違いです。リターンは高くないからです。仮に、このような商品を「ハイ・リスク、ハイ・リターン」といって紹介し、かつ、それが金融の常識であるかのように勧誘しているとすると、それは虚偽の表明をしているということになります。また、事後的に、つまり、裁判の場でこのような商品性を「ハイ・リスク、ハイ・リターン」と説明する人がいるようですが、それも同じ理由で誤りです。
ちなみに、仕組債のリターン、つまり、平均的に期待できる投資収益は大きなマイナスです。
2014年7月17日木曜日
2014年6月27日金曜日
エマージング債の流通市場
-- Risk grows of disorderly EM bond sell-off - http://www.ft.com/cms/s/0/f9321b08-fd23-11e3-bc93-00144feab7de.html
加熱気味というのは、いつ冷えるかわからない市場については常に言えるわけですが、流通市場がシュリンク、発行市場は拡大というのが潜在的に脅威だというのは面白い視点ですね。
2014年6月17日火曜日
投信と影の銀行
-- Fed looks at exit fees on bond funds - http://www.ft.com/cms/s/0/290ed010-f567-11e3-91a8-00144feabdc0.html
信用創造の機能は銀行の独占ですが、信用仲介は、社債投信やバンク・ローン投信にもありますよね。投信版取り付け騒ぎを避けようというのがこの『解約ペナルティ』の話なんでしょうけれど。
2014年6月10日火曜日
市場の予想変動率
-- Market volatility plummets to multiyear lows - http://www.ft.com/cms/s/0/fa992268-efe3-11e3-9b4c-00144feabdc0.html
ボラティリティの低下には専門家の末席を汚す人間として高い関心を持っていますが、前回のことを考えると『嵐の前の静けさ』ちっくな怖さが残るのは確かですね。こういうときはオプションの買い側になるべきなんですけれど、そういう合理的な判断ができないのが悩ましいですね。
2014年6月9日月曜日
儲け続けるのは難しい
-- Goldman stars fall back down to earth - http://www.ft.com/cms/s/0/08374420-ed8e-11e3-8a1e-00144feabdc0.html そりゃそうだわな、という話ではあるのですが。
2014年6月6日金曜日
オーストラリアのCPDO裁判
S&P loses Australia appeal over ratings http://www.ft.com/cms/s/0/681d754a-ed1f-11e3-8963-00144feabdc0.html?ftcamp=published_links%2Frss%2Fcompanies_financials%2Ffeed%2F%2Fproduct
オーストラリアで、CPDOの格付けが高くて投資家が損したという裁判があって、控訴審でも格付け会社(S&P)が敗訴したそうで。500ページあるということなので、原審同様、読みごたえはありそうですね。
マイナス金利
欧州中央銀行がマイナス金利を導入したという話ですが、民間銀行による中央銀行預け金が対象ですから、直接のインパクトはないですよね。実効性というよりは、シンボリックなものですが、なにかをやったという点で、デフレに悩んでいたどこかの国とは違うと。
2014年6月4日水曜日
現物利払い債券
-- Sales of boom-era ‘PIK’ debt soar - http://www.ft.com/cms/s/0/5b4a3efe-eb1f-11e3-bab6-00144feabdc0.html
利払いに必要な現金すらなかったら、その資金も借りてしまえばいいですよね。それを社債に内在させてしまうのがPIKで、金融危機前のLBOブームでよく見られましたが、また増えているそうです。少なくとも金融の世界では、歴史は繰り返しますね。
2014年6月3日火曜日
それでもバンク・ローン投信は販売される
2014年5月31日土曜日
好配当株ファンド
もっとも、アメリカがまともなのは、高成長株(PERが高く、一般的には配当利回りはあっても低い)の人気が復活していて、好配当株ファンドから資金流出がみられるとか。日本の投資家が超無邪気なのは、今に始まったことではないですけどね。
2014年5月28日水曜日
バンク・ローンのETF
http://mobile.bloomberg.com/news/2014-05-27/leverage-addicts-get-junk-loan-fix-with-derivatives-etf.html
私自身は、以前エコノミスト誌でも触れたとおり、一般的な(日本で素人の投資家を相手に販売されている)バンク・ローン投信には批判的なのですが、まともな人が運用するのであれば、このようなレバレッジの利用もありかと。日本で販売するには大変かも、と思ったら、上場だからなんでもありですかね。
2014年5月27日火曜日
バーチャル銀行
-- Young people open to alternative banking - http://www.ft.com/cms/s/0/4b268aac-e479-11e3-a73a-00144feabdc0.html
店舗が不要というのは、現金が不要だったら当然ですよね。紙がない世界と、ビットコインの唯一の違いは「融資=預金の増加」という信用創造の差だけですかね。
もともとペーパーレスになっている証券なんて、ますます店舗不要ですよね。
2014年5月10日土曜日
金利スワップの効果
短期金利と比較した上で固定払いの金利スワップの効果を「ヘッジ」という観点から見ると、金利スワップは別に金利上昇のためのヘッジにはなりません。というのも、イールド・カーブはある程度の金利変動を織り込んでますから、それを超えて短期金利が上昇しない限りは金利スワップなどやらないほうがいいわけです。
「金利スワップで固定金利を支払う側になるのは、金利上昇のヘッジになる」という表現は、一般論としては正しいのですが、実際には、金利が上昇したからといって別にヘッジになるわけではなく、金利が一定以上の水準を超えるリスクのヘッジになるだけなのです。金利スワップ裁判では、控訴審でこの議論がなされているのですが、説明の方法が情緒的過ぎたのか、なんか、ボタンの掛け違いになっちゃいましたよね。
ロンドンの住宅価格はバブルなのか?
だからといってバブルを止められるわけではないですし、「これはバブルだから、俺/私は参加しない」と言っている間に価格が上昇し続けると、その人が愚者に見えるという…。
2014年4月29日火曜日
2014年4月25日金曜日
信用創造
-- Strip private banks of their power to create money - http://www.ft.com/cms/s/0/7f000b18-ca44-11e3-bb92-00144feabdc0.html
銀行は、信用創造の機能を通じて無尽蔵に融資を続けることができる一方で、事業会社は1円でも債務不履行を起こせば倒産の危機に瀕します。事業会社と銀行とが対等の立場で交渉をするというのは、その意味でありえないんですよね。
2014年4月11日金曜日
金融システムとハイパーインフレ
-- Only the ignorant live in fear of hyperinflation - http://www.ft.com/cms/s/0/46a1ce84-bf2a-11e3-a4af-00144feabdc0.html
金融システムの機能とハイパーインフレの起きなささとが直接関係あるとは思わないですが、信用創造の意味をたまに考えることは頭の体操になりますね。
2014年4月9日水曜日
手数料開示(英国の話)
-- Financial advisers fail on fee disclosure - http://www.ft.com/cms/s/0/13a3e030-be67-11e3-b44a-00144feabdc0.html
手数料を隠すのは、ちゃんと説明したら契約しないかも、と思っているからですよね? ちゃんと説明したら契約しないかもという内容なのであれば、ちゃんと説明したほうがいいのではないでしょうか。日本でも同じですが。
2014年4月1日火曜日
コベナント・ライトとサブプライム
-- Private equity needs less of a shadowy existence - http://www.ft.com/cms/s/0/f6190396-b8c2-11e3-835e-00144feabdc0.html
前回も、コベナント・ライトは流行っていたし、前回も、CLOの形で証券化されてましたよね。今回の危険は、CLOとレバレッジド・ローンが前回の危機をうまく免れたということで、市場が過信することですね。
ま、上手な運用会社は上手だということには変わりはないのだと思いますが。
2014年3月31日月曜日
アベノミクスの効果について
1) 実質GDPの伸びは大したことはないけれど、生産人口1人あたりでは着実に上昇している、つまり、人口の高齢化によってアベノミクスの効果は隠れてしまっている
2) 日本の製造業は、円安になっても価格を輸出価格を下げないので、実質(数量ベース)での輸出が悪化している → 粗利が増えるので国内商品に還元される可能性が高い
と読むんだそうです。ただ、日銀のインフレ期待操作はあまりうまくいってないじゃん!という評価で、まったくそのとおりのような気がします。
「消費税増税の影響は軽微にとどまる」とフィッチが
事後的な印象からすると、あの増税で日本のデフレは再度悪化したと見る向きが多いと思うのですが、面白いですね。
2014年3月29日土曜日
イギリスで保険会社が…
バンクローン投信の裏付け資産について → 米金融当局が懸念?
バンクローン投信の裏付け資産はレバレッジド・ローンといって要するに投機的格付企業向け融資であって、きちんとした人がきちんと分析をしている分には、ものすごくリスクの高い類型に入るわけではありません。しかし、投資信託になると実際にはマーケットを買っているのと同じであって、ということは、市場がゆるゆるになってくるとその分リスクは高くなっていくと言えましょう。ゆるゆるというのは、具体的には、カネ余りで借り手優位になってくると、貸し手にとっては条件が不利になってくるわけです。
とは言え、日本人投資家のクセとして、行くときはガンガンいく(ま、販売するほうが悪いんですけれど)ので、ちょっと心配もあるわけですが、米国の銀行に対しては、FEDやOCCが警告というか、「ガイドライン」を出しています。ちゃんと見てはいませんが、日本でちゃんと報道されているのか、さらに心配なのは、日本でバンクローン投信を販売するときにちゃんとこの情報が開示されているのかちょっといやですよね。
2014年3月28日金曜日
2014年3月27日木曜日
差し押さえ一戸建て住宅投資の業界団体
-- Securitisation industry lobbies on rental properties - http://www.ft.com/cms/s/0/1d040a72-b4f5-11e3-af92-00144feabdc0.html
一戸建て賃貸住宅は、資産クラスとしては歴史が浅く、証券化に際しても格付け会社間の意見が分かれているのですが、業界団体を作ったそうです。アメリカって、ダイナミックな国だなぁーって思いますよね。
2014年3月25日火曜日
日本の国債は大丈夫?という話
-- Japanese debt: Still climbing - http://www.ft.com/cms/s/0/1ccc6df2-a86f-11e3-a946-00144feab7de.html
ネタ自体に新鮮味はないものの、高橋(関根)恵子さんが『ピンク映画』のスターだったって、いつの話なんだろうという気がいたしますが。
2014年3月23日日曜日
金利操作で、米当局への表明と民事訴訟での主張とが異なっているという話(英国編)
ところが、米司法当局との和解に際しては「2007年9月から2009年5月の間、少なくとも数回は」実際よりも低い金利に誘導しようとしていたとの表明が公開されていますから「それって、ヘンなんじゃないの」と言われているそうです。
訴訟戦略では、どちらの当事者も結構ものすごいことを言うので、その一部かとは思いますが、ちょっと格好悪いですね。英銀の側は、本件の原告はこの種のリスクについて悪意だったと主張するのが趣旨のようですけれど。
2014年3月22日土曜日
失敗する自由とパターナリズム(投資編)
しかし、素人は知識がないから素人なのであって、それにつけこむプロがボロ儲けすることはあまり許されるべきことではないのでしょう。また、そもそも論として、一般論として誤った判断をすることを放置しておくことは、それはそれであまり許されないような気がします。
私自身は基本的には放置的自由主義者というか、リバタリアンなのだとは思いますけれど、それは自分の知識にある程度自信があるからであって、知識の乏しい人に失敗する自由を与えすぎるのはよくないようにも思います。
言ってみれば、西洋医学を全く信じないという人がいたとき、その人が西洋医学の素晴らしいところと限界を充分に認識した上で、それでも西洋医学を拒絶すると言うのであれば、それは、賛成するかどうかは別としてもその人にとっては正しい判断なのでしょう。しかし、横文字が嫌いだとか、刃物が嫌いだといった情緒的な理由で西洋医学を拒絶する人がいたとすると、一般的には、一所懸命説得を試みるのでしょう。
という話を、イギリスの年金改革の話についての記事を見て思いました。どの国も大変ですよね。この記事にあるように、確かに自由は確保しなきゃいけないのだろうけれど、一般論として正しい方向に導いてあげるというのは大事ですよね。
ただ、年金≒投資、ですから、これってもっと大きな意味があるようにも思います。要するに、「アホな投資はするな」というのをどこまでパターナリスティック的に押し付けるかです。高名な弁護士で金融機関側の人などは、どんどん失敗させろという論のようですが、それでいいんですかね。
2014年3月21日金曜日
一戸建て賃貸住宅の証券化とビジネスとしての格付け
2014年3月18日火曜日
2014年3月15日土曜日
日本の銀行とPEファンド投資
ボルカー・ルールは面倒くさいですね。日本の銀行が米PEファンドに投資するのが煩雑になるというのは、誰のためにもプラスにならないような気はします。ただ、所詮その程度のプレゼンスでしかないというのもまた事実であり、それはそれで80年代後半の勢いを知っているとどうなのかしら、という気もしますが…。
2014年3月12日水曜日
英独利回り格差
-- UK and German bond yield gap widest since 1998 - http://www.ft.com/cms/s/0/fd8368f4-a93d-11e3-b87c-00144feab7de.html
昔は、利回りが高いほうはアカん国だったのですが、今は、ユーロ圏のデフレ期待・懸念象徴ですよね。世の中、変わるものです。個人的には、記事にあるとおり、英国債売り・独国債買い(ユーロ圏デフレ深刻化)のほうが可能性が高いように思います。
2014年3月11日火曜日
プライベート・エクイティとクレジット投資
-- Private equity: Apollo’s charge to the top - http://www.ft.com/cms/s/0/dd3c8c42-a825-11e3-8ce1-00144feab7de.html
出自がクレジットの人間としては、共感できる部分が多いですね。ピュアなエクイティとは発想の根幹が違うし、一方で『安全な』案件をやろうとして失敗する銀行屋さんとも違うと。
2014年3月10日月曜日
経常収支赤字は定着するのかしら?
経常収支赤字は、簡単に言えば企業でいう経常赤字なので、これまで営業赤字の分を営業外の投資収益で経常黒字にしていたのが、そういうわけにはいかなくなってきたということですか…。
個人的には、まだ日本の産業を信じているところがあって、そもそも貿易赤字が定着するとも思いたくないし、ましてや経常収支赤字が恒常的になるとも思っていないのですが、仮にこの読みが間違っているとすると、日本の財政、少しだけ心配ですね。まだ大丈夫だとは思いますけれど、センチメントですからね、市場は最終的には…。
LIBORのときより凄いことに
日本で、為替レートを大銀行が操作していたという話が大騒ぎになっていないのはなぜなのでしょう。
LIBORはロンドンの話で、行儀悪い外国人の話ですから興味本位で騒げたのでしょうが、為替は直接、多くの個人・企業に影響を与えるため、大きな問題にしたくないという力がどこかからかかっているのかもしれませんね。
2014年3月7日金曜日
劣後債の実質的な買い戻し
Lloyds Bank Seeks to Swap More than $8 Billion of Bonds http://feedly.com/e/IeXIoixv
米銀は『状況の変化』コールで額面で償還してしまうという乱暴もするようですが、こちらはもっと穏当ですね。
2014年3月2日日曜日
年金が国債をすべて売却?
私自身は、投資信託としてのバンク・ローンには実は相当懐疑的なのですが、クレジット投資専門の運用会社がやっているものはまた別だと思っていまして、その意味では、鋭い投資かもしれないとは思いますね。
法人格否認の法理
756条
夫婦が法定財産制と異なる契約をしたときは、婚姻の届出までにその登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない
というのを見つけました。英語でいうプリーナップ(prenuptial agreement)かいなーと思って、そういえば日本でも離婚増えてそうだし、などと思って登記統計を見てみると、平成15年からの10年間で、登記数は69件しかありませんでした。芸能人と結婚するIT長者の人とか、ちゃんとした弁護士が付いているのかしらん?などと思った次第です。
2014年2月28日金曜日
バブルの兆候?
-- WhatsApp and Tesla set the scene for soaring valuations - http://www.ft.com/cms/s/0/79bc9eca-9fcc-11e3-b6c7-00144feab7de.html
一瞬びっくりするような買収価格を、アナリストが正当化、もっと高くてもいいと言い始めるとバブルの兆候だとか。とりあえずWhatsAppをダウンロードはしましたけど、個人的には…。
2014年2月22日土曜日
イギリスの不動産市場
ただ、話はそれで終わりではなくて、そのような人たちが今度は通勤圏の郊外に移り住んでいて、オックスフォードのような学園都市が変わりつつもあるそうです。
日本だと、昔は荻窪とか別荘地だったところですが、一部(南荻窪とか)が高級住宅地になっている感じよりもおそらくもっと深刻で、感覚的には国立に金持ちが大量に住んで、学生が住めない街になるような印象でしょうか(まだ国立はそこまでいかないようですが)。
通勤時間長いのは日本の専売特許ではありませんし、街中がダウンタウン化していないのも日本の特徴であるとは思いますけれど、頭脳労働者の労働時間長いのは日本の特徴ですかね。ま、貧富の差が少ないってことなんでしょうけれど。
2014年2月21日金曜日
劣後債買い戻し
-- Lloyds expected to offer Cocos swap - http://www.ft.com/cms/s/0/41a1ad44-9a4c-11e3-a407-00144feab7de.html
確かに、額面で償還するより親切だし、今後のことを考えると賢明なんでしょうね。
2014年2月19日水曜日
2014年2月18日火曜日
ドイツで不動産市場が過熱しているとか
2014年2月17日月曜日
金利スワップは取引所取引
企業間信用
-- UK manufacturers’ lending to customers rises to record levels - http://www.ft.com/cms/s/0/f83b6d24-9704-11e3-a274-00144feab7de.html
中堅企業の財務分析をやっていると、企業間信用の重要性を認識することが多いですが、イギリスで、大手製造業者が信用供与を増やしているという話です。日本みたいに総合商社とか、流通での卸の存在が軽いので、しょうがないというか、日本は日本でいいところもあるっていう感じですね。
2014年2月15日土曜日
プライベート・エクイティが凄い!
確かに、大手「代替投資運用」会社はどこもクレジット投資ビジネスを拡充させていて、日本でいうと年商10億を超えてくるとPE投資の対象になることからクレジット投資の対象にもなりますよね。彼我の差にはいつも愕然とするし、羨ましくもあるのですけれど、日本もいつかこうなってほしいものです。
ローマ皇帝クラウディウス債
で、英銀ロイズも似たような証券を発行していて、昨日の決算説明会で、やはり期限前償還する可能性が指摘され、額面の111%から9ポイント価格が下落したとか。
2014年2月11日火曜日
KKRが投資信託を閉鎖へ
2014年2月8日土曜日
2014年2月7日金曜日
証券会社の敷居とNISA
個人的には、NISAは投信を買うビークルだし、投信を買うなら銀行で買うほうが庶民にとっては合理的だと思ってますけれど…。ただ、銀行のほうが口座数はもっとひどい状況なわけで、となると制度に問題があるっていう話なんですかね?
超劣後債の格付け
http://m.ft.com/intl/cms/s/0/4d6efa3c-8f57-11e3-be85-00144feab7de.html
S&Pが、超劣後債(いざとなったら無価値になる)の格付けを下げるかもしれないというので、草案を公開、意見を募集中だそうです。
2014年2月6日木曜日
独コメルツ銀がスペインの不良債権を処分
アポロのクレジット投資
http://mobile.businessweek.com/news/2014-02-05/apollo-credit-twice-size-of-buyouts-shows-private-equity-shift
プライベート・エクイティ投資で知られているはずのアポロが、実はクレジットでも凄いという話。クレジット市場のプロとしては嬉しい話である一方、彼我の差に辛くもなりますね。
アメリカの『影の銀行』
-- Shadow banks step out to fund mid-market corporate America - http://www.ft.com/cms/s/0/53fe5f0a-8e71-11e3-98c6-00144feab7de.html
アメリカで、影の銀行による中堅企業向け融資が比率を高めているとか。日本では、こうはならないんでしょうね…。
2014年2月5日水曜日
邦銀のプレゼンス(外国為替スキャンダル編)と日本のメーカーのプレゼンスの違いについて
これって、日本の自動車部品メーカーが海外で最近指摘されることが多い価格操作と似ている部分があるスキャンダルなのに、なぜ、邦銀は表に出てこないのでしょうか?
仮説1:日本の金融機関は清廉な人たちが働いているので、スキャンダルになるような行動を取るはずがない(証券会社なら別だけど…)
仮説2:日本の金融機関は、実は国際的なプレゼンスがなく、国際的な金融機関同士の仲間に入っていないので、結果として、仲間うちでの価格操作に入っていなかった
アベノミクスはまやかしだ(とフィッチが言っている)
証券化と「預金との相殺」の件(オーストラリア編)
議論自体は目新しくないのですが、久しぶりにこういう基本的な議論を見ると少し新鮮で、青かった頃を思い出したりいたします。
国の信用度と文化的資産
-- Italy accuses S&P of not getting ‘la dolce vita’ - http://www.ft.com/cms/s/0/6ed9649e-8dab-11e3-bbe7-00144feab7de.html
イタリアの会計監査院(ですかね)が、国の信用度評価には美術の価値とかも加味すべきではとS&Pを責めているとか。日本人の勤勉さとか加味すべきだし(されてるからダブルA?)、信用度の評価は難しいですよね。
Liborよかひどい
Forex allegations ‘as bad as Libor’ http://feedly.com/e/jDZHdZXO
為替レートの操作問題はLiborよかひどいという話。日本の『仲値』とか、ほんとそうですよね。
2014年2月4日火曜日
貸家証券化(ブラックストーン編)
ま、価格が下がっているかも、というのの根拠に最もリスクの高い証券が99円でオファーされていたことを挙げるのはおそらくあまり適切ではないのでしょうし、一部の投資家が懐疑的なのは、確かに証券化と名が付けばわからなくはないものの、それも「一部」と考えるべきなのでしょう。
実際のところは、トリプルAが適切かどうかはともかく、資産としては意味があるのだから、見守りましょ!ということのような気がします。ただ、確かにL+115はアグレッシブですかね…。CLO買えよ、という気もいたしますが、分散投資が重要ということなのかもしれません。
日本では…、うーん、そもそも中古住宅嫌いですもんね…。それはそれで別の問題なわけではあるのですが…。
自戒・反省と今後の相場について
今回の下げのきっかけは昨日の米ISMということですが、トルコの超利上げもほとんど効果がなかったとか、新興市場の話であったり、米債務上限の話であったりということで、なにかあれば円高に行きやすいという読み自体はあたっていたものの、100円を中心に90円~110円という予想は、ま、はずれにくいわけで、特に自慢にはなりませんね。
国債が買われなかったのはなぜかしら? おカネ、どこにいっちゃったんですかね? 米国債????
グリーンスパン・プット
個人的には、アメリカの株は心配ないと思っていて、それは、いざとなったらFEDが再緩和すると見込まれるからです。かつてはグリーンスパン・プットなどと呼ばれましたが、イェレンさん、どうしますかね。
日本は、うぅーん、アベノミクスに実弾がない状況が続くと意外と弱いかもしれませんね。年末2万円の看板はまだ下ろしませんが。
2014年2月3日月曜日
ロンドンの住宅価格
London house prices heading for ‘bubble’ - http://www.ft.com/cms/1f02ede2-8a8f-11e3-ba54-00144feab7de.html
ロンドンではバブルっぽいという話だそうです。ただ、PERの議論と同じで、割高なものは割高であり続けることもあり、悩ましいところですね。
2014年2月1日土曜日
投資のプロなど存在しない
CLOは、日本では、銀行のバランス・シート対策として導入されましたが、海外では90年代後半から、運営会社の資金調達手法でしかない、いわゆるアービトラージ型のほうが主流となっていました。S&Pが「過去20年のCLOを見ると、安定しているよね」というレポートを出しているのですが、ま、業界長い人間から見ると、当然だよねっていう感じですね。
2014年1月30日木曜日
中国の影の銀行救済について
中国では、信託を利用して資金を集め、信用度の必ずしも高くない会社に融資をする『影の銀行』商品を、銀行が扱っているという(ウソのような笑い)話があるのですが、そのでっかいのがヤバいのではという話がありました。結局、金利の一部はおしゃかになったけれども元本は守られたという話なのですが、これについてモラル・ハザードというか、結局、問題先送りじゃないのという話を格付け会社がしているとFT紙に出ていました。
格付け会社に指摘されるまでもないとは思いますが…。いちおう、フィッチ、S&P、ムーディーズ(P12)、それぞれ元ネタを見つけたので貼っておきます。
2014年1月29日水曜日
コンティンジェント
CoCoと呼ばれるのはシャネルとは全然関係なく、コンティンジェント・コンバーティブルと呼ばれるヨーロッパの銀行が発行している超劣後債で、銀行の側が勝手に自己資本にしちゃうかもしれないというすごいやつです。ところが、通常の株式と違い、配当原資がある限りは固定利率で配当を支払うため、特にアジアでクレジット投資家に人気なんですね。
世の中に美味しい話がないというのは、80年代後半から90年代前半にかけてリース会社向けに大量に発行されたVRNでみんな気付いているでしょうに、と思っていたら、そもそも90年代のこと覚えている人自体、世の中では化石化しているんですよね。アジア通貨危機とかLTCM危機とかロシア危機とか、みんな、歴史の教科書で読む話だったりするわけで、我々の世代にとっての中南米債務危機やS&L危機と同じなのかもしれません…。
2014年1月27日月曜日
モバイル端末に食われるか…
文章を見ると、ようするに、ソニーのメインのビジネスであるエレクトロニクスはモバイル端末に浸食されてしまっていて、どんどん儲からなくなると…。大型画面なんてそんなに必要ないということを悟った消費者は手軽さに流れるということなのかもしれませんね。
ま、海外の格付け取ったら投機的格付けになるから日本の(しかもJCRだけだったりする)格付けしか取らない会社も多い中、あまり気にしなさんなと思いますけれど。格付け下がったことで騒ぐのは、財務分析能力がないことをひけらかすようですしね。
2014年1月18日土曜日
邦銀の国際プレゼンス
日本の銀行は、いわゆるリーマン・ショックに際して「周回遅れ」であったために大きな被害を免れ、その後、国際金融市場ではそのバランス・シートの健全さで括目されているのは報道のとおりです。
しかし、プレゼンスってなんですかね? というのも、日本はいまだに貿易量としては相当な国であり、当然、それに伴って為替の実需取引は沢山あるはずですし、日本の投資家の海外投資、海外の投資家の日本投資と、資本取引も活発なはずなのですが、日本の銀行の為替の取引ってどうなんだろうとあらためて思わされるのが、昨今の外為スキャンダルです。HSBCとシティも取引担当者を停職処分にしたというのが報道されています。
確かに、市場を操作しようとするのが悪いことなのはそうなのでしょうし、それをやっていなかったことが悪いはずはありません。しかし、実際には周回遅れの件と同じで、結局、国際的な為替取引のお仲間には入っていなかったというのが実情ですよね。なんかちょっと情けないと思うんですけど。
2014年1月17日金曜日
オランダ風ユーモア
Call me madam: Chairman’s bank lessons - http://www.ft.com/cms/s/0/156fa152-7ece-11e3-8642-00144feabdc0.html
日本で同じことが起きるか想像すると…。
2014年1月16日木曜日
ヨーロッパで不動産投資熱が再燃とか
Investors pour into European property - http://www.ft.com/cms/b86aa254-7dd8-11e3-b409-00144feabdc0.html
過剰流動性のひとつの帰結ですよね。株高だってバブルと言えなくもないわけで。超デフレと比較したらこのほうがいいんでしょうけれど。
2014年1月14日火曜日
日本の『証券化商品』の格付け動向
ところで、昨年第4四半期の日本の証券化商品の格付け動向についてのレポートがフィッチから出ているのを見つけたのですが、なんで英語しかないんですかね? 筆者の方はお名前から判断すると日本人の方だと思うのですが、最初から英語でレポート書いているんでしょうね。
もはや日本は輸出大国ではない
"Japan No Longer an Export Powerhouse - Real Time Economics - WSJ" http://feedly.com/k/1drTVW0
そうでしょうね。そんな気がします。所得収支がプラスならいいんですけどね。
2014年1月13日月曜日
スコットランド独立と英国債
バーゼル3
レバレッジ比率については、一定の相殺を認めるという話で、ま、これまでのレバレッジ比率が若干きつすぎるきらいがあったのでバランスをとったということかと思います。安定調達比率もそうですけれど、若干あらすぎる気がしますが、そもそもルールを細かくするとその分、頭のいい人たちがよからぬことを企てるという側面があるのは確かなので、やむを得ないということなんんでしょうね。
<追加>
WSJ紙にも(当たり前ですが)ニュースが出てますね。論調はほぼ同じです。
2014年1月12日日曜日
デリバティブの教科書
① 金利スワップ → 確かに、ブート・ストラッピングとかディスカウント・ファクターとかの金融工学の基本を知る上では有効な考えかたが多いし、市場での(=銀行間での)取引量は圧倒的に多いので有用
② 為替予約
の2つを教えた上で、実際の取引量としては多いクーポン・スワップを中心に説明すべきなんでしょうね。だって、世の中の多くは中小企業であって、中小企業相手のデリバティブなんて、ほとんどがクーポン・スワップ(というか長期平均為替)の変形ばっかりですもんね。
もちろん、ちゃんと教えたからといって担当者がちゃんと理解するとは限らず、ちゃんと説明できるとも限りませんし、まして、レシオだギャップだノック・アウトだなんていうのを顧客に覚悟させるだけの説明ができているかどうは別の話なのですが。
ただ、業者の側がちゃんと説明しているのに、顧客の側が凝り固まって聞く耳持たない(リスクの説明を聞かずに、メリットばかり追求する)ときがあるのも確かなので、それはそれでどうしようもないらしいです。
2014年1月8日水曜日
確かにロンドンはいいところだけれど
って、私も、機会があれば住みたいとは思います。冬はやですけどね(って米東海岸もちょっとツラいですかね)。